A Human Being
2019年 01月 19日
2016年に起きた東大生ら5人による集団強制わいせつ事件に基づいて書かれた小説で。
この事件に至った背景を、加害者と被害者両方の生きようを中学生時代からたどって
描いている。入手していないのでまだ読んではいないのだが、ブックトーク記事や書評を
読むと、Human being と Human doing の違いが興味深い。
Human doingの尺度の世界でずば抜けてる東大生。成功のために膨大な時間と辛抱を
勉学のために費した。 一方、被害女性も含めて大半の普通の人々は、Human Being
の尺度で生きている。”できること” ではなく "いること” つまり存在がもたらす
主観的な価値で評価しているのだ。
この二つの世界が衝突した不幸な事件を、読者が、自分に内包している世界のことだと
思って読むか、自分の外側の客観事実として読むかによって、ずいぶん物の見方が変わる
んだと想像する。
俺は、明らかに自分の内側のことだと思って、読むのを楽しみにしている。
by infinite1966
| 2019-01-19 01:47
| Arts